【書評】誉田哲也『ジウⅠ』評価B 重版もしている本ですね。 

本の評価

誉田哲也『ジウⅠ』中公文庫

¥667(税別)

評価 B

ジウ〈1〉―警視庁特殊犯捜査係 (中公文庫)

ジウ〈1〉―警視庁特殊犯捜査係 (中公文庫)

 

 どういう本かぶっちゃける

門倉美咲と井崎基子という二人の女性刑事が主人公の警察小説です。

相棒のようにこの二人がタッグを組んで難解な事件を解決するのではなく、元は同じ部署にいた二人が、都内の人質篭城事件がきっかけで異動し、各々別の部署で活躍する話です。この本のクライマックスには一緒に事件を解決しますが。

門倉美咲という人物は「柔」井崎基子という人物は「堅」というキャラクター設定になっているため、門倉美咲は被害者にあった家族から事情を自然に聞き出すという能力があったり、井崎基子は男顔負けの体術で犯人をはっ倒すということもします。

ただ、各キャラクターのクセが強いので、微妙だわという人も多いのではないかなと思います。

この本は、重版もしているほどですので、かなり期待していたのですが、キャラ設定が強すぎて読みづらかったのでBとしています。

ちなみに、展開される事件に関しては、結構面白いです。

児童誘拐事件の主犯人が「ジウ」という名前の男なのですが、本作のクライマックスでも闇の中。続編が出ているので、いつか明らかになるのかなと思います。

僕はもう読まないと思うので、ジウが何者なのかだけ、誰か教えてください。

見どころ

黒木メイサのドラマがあるらしい。脚本としては評価はA。

重版になるくらいなので、有名なんだなと思っていましたが、ドラマまでありました。

確かに、キャラ設定が強いため、脚本としてであれば、かなり面白いと思います。

各キャラクターの心の声も頻繁に書かれているため役者はやりやすいと思います。

僕的には、あまり好きな本ではありませんでしたが、キャラが立っていて、事件が面白いので、高評価な人が多いのも頷けます。

まとめ

書く内容があまり無い本ですね。

読んでいて、おっこれは面白いぞ!というテンションの上がりを感じなかったため、あまり入り込めなかったからだと思います。何度も重版しているので、面白いんだろうなと思ってたからくっそーという感じです。

むしろ、「序章」だけでも読んでほしいですね。

この序章部分だけ読んだら、すごく面白い小説だと期待値がすごく上がると思います。

しかし、その序章の世界観でいくのではなく、二人の女性刑事に焦点を当て始めたというのが残念でした。

僕の個人的な意見ですが、悪く言ってしまうと、おじさん(作者)が二人の若手女性刑事の心理なんてわかるのかな?ってすごく思ってしまったんですよね。

世界観や事件の内容、男刑事のキャラに関しては、一流だと思います。

しかしさすがに限度があって、一流の世界の中に、不慣れなキャラが主軸で動くミスマッチがあって、なんか気持ち悪いなという感じでした。

多分作者が女性だったらもっとキャラに違和感が無かったと思います。

男目線の女性心理描写という感じですね。

有名な本だと思うので一度読むことをおすすめします♪